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LAMP法の原理
日本ではPCR法の次に使われる遺伝子検査法。
日本発の遺伝子増幅法であり、栄研化学株式会社によって開発され、商標権を所有している。
PCRとかなり共通点があり、しかしLAMP法ならではの特徴も明確で、PCR法と対比になっています。
PCR法とは
【PCR法の原理】 PCRとはポリメラーゼ連鎖反応( polymerase chain reaction)と言い、世界初且現在ではもっとも使われてる遺伝子増幅法であり、医学・薬学・生物学など…
LAMP法とPCR法の共通点
- 同じく特定な遺伝子配列を増幅させる為の手法である
- 根本的な増幅原理は同じである。PCR法と同じく、DNAポリメラーゼの特性を用いてDNAをコピーすることで標的DNAを増幅させる
- 試薬の構成もほぼ同じ
LAMP法とPCR法の違い
PCR法 | LAMP法 | |
プライマーの数 | 2種類必要 | 6種類必要 |
反応温度管理 | 変温環境 | 定温環境 |
検査において必要な増幅時間 | 約1時間 | 約15分 |
定量可能性 | 可能 | 困難 |
LAMP法のメリット(PCRと比較)
- より短時間で反応を済ませることが可能
- プライマー6個使っている為、特異性が高く、偽陰性がより起こりにくい
- より大量な遺伝子を増幅させることが可能
- 定温環境なので、PCRより増幅機械のコストが抑えられる(極論水浴で反応が起こる)
LAMP法のデメリット(PCRと比較)
- カオスな増幅方法である為、PCRの様に定量が出来ない
- プライマー6個使っている為、試薬の開発コストが高い
- 増幅量が大きい為、コンタミネーションリスクが高く、偽陽性がより起こりやすい
LAMP法の増幅原理
PCR法のシンプルな増幅の仕方に対し、LAMP法は6つのプライマーで切断と折り畳みを繰り返し、ややこしい増幅の仕方をしています。しかしそのおかげで、PCRの様に増幅サイクルする度に温度調整でコントロースする必要はなく、一定温度で反応が進みます。
LAMP法が遺伝子検査での応用
感染症遺伝子検査
- SARSコロナウイルス
- 百日咳菌
- 結核菌群
- マイコプラズマ
- レジオネラ
- インフルエンザウイルス(A型、H1型、H5亜型)
- 新型コロナウイルス(開発中)
- マラリア原虫(開発中)
環境遺伝子検査
- レジオネラ
- クリプトスポリジウム
- ジアルジア
食品遺伝子検査
- サルモネラ
- 腸管出血性大腸菌
- ベロ毒素(VT)
- 大腸菌O157
- ノロウイルス(GⅠ、GⅡ)
- カンピロバクター
その他
- 牛胚性判別