遺伝子検査の用途
遺伝子検査の抽象的分類
異物検出
検体に混入した異物(病原菌)の遺伝子を検出する事で、異物の混入を診断する為の遺伝子検査
- 感染症遺伝子検査
- 環境・食品遺伝子検査
異常遺伝子検出
遺伝子変異してしまった細胞の変異配列を検出する事で、遺伝子変異を診断する為の検査
- がん遺伝子検査
- 遺伝学的検査
解読分析
人の細胞の遺伝子を全般的に読み取る事で、分析を加えた上、情報を整理して報告する検査
- 遺伝学的検査
- 遺伝子解析
遺伝子検査は色んな用途があり、例えば感染症の検出から、遺伝性疾患の特定、がんの個別化医療における応用、将来の健康状態の予測など、それぞれ全く異なる目的と技術を使っている為、遺伝子検査を全面的に知るにはまず目的を小分けして、一つずつ解説していきたいと思います。
遺伝子検査が用途においての具体的な分類
感染症遺伝子検査
病原体(菌やウイルス)が持ってる特異的な遺伝子(病原体には持っているが人の細胞には持っていない)を増幅させます。
増幅された遺伝子配列を検出し、検出されなかった場合は陰性、検出された場合は陽性とし、感染症に掛かっているかどうかを判断します。
対応疾患
- HIV/HBV/HCV/クラミジア/淋菌などの性感染症
- コロナウイルス/インフルエンザ/結核/ノロウイルスなどの流行性感染症
使用検体
- 血液(血清)、喀痰、尿など
使用技術
- PCR法、LAMP法など
がん遺伝子検査
2000年代に入り、伝統の抗がん剤と違った、新型の抗がん剤である「分子標的薬」を使用する「個別化医療」が標準となってきた。
分子標的薬は非常にクセのある医薬品なので、患者のがんの性質によって効き目が全く違ってくるため、投薬の前の判断検査として用いられます。
対応疾患
- 急性・慢性骨髄性白血病などの血液腫瘍
- 肺がん・大腸がん・乳がん・胃がん・GISTなどの固形がん
使用検体
- がん組織(生検)または血液(血清)
使用技術
- PCR法など
遺伝学的検査
先天性の遺伝学的な疾患は遺伝子(DNAまたは染色体)に欠損または異常がある場合に起こる病気です。
それぞれの遺伝性疾患はそれぞれの遺伝子異常の特徴があり、その特徴を検出する事で、不具合な症状から原因である遺伝性疾患を特定したり、病気がなくても将来子孫に遺伝性疾患が起こりゆる可能性を推測したり、これから生まれてくる子供の出生前診断を行ったりなどで使われます。
対応疾患
- 先天性な自己炎症性疾患・免疫不全症
- 先天性代謝異常症、その他の先天性疾患など
使用検体
- 血液(血清)など
使用技術
- PCR法、DNAシークエンシングなど
遺伝子解析
遺伝子の全配列を読み取り、将来どの様な病気になりやすいかを予測したり、体質の特徴や傾向を見たりなど、遺伝子に含まれる遺伝情報を読み取り、解析することで個人の体質や疾患リスクの情報を提供する検査です。
更に、医療健康と関係ありませんが、遺伝子情報からご自身の祖先は地球のどこで分布しているかのを地理的と時系列的調べるユニークな検査もあります。
出来る事
- 疾患リスクや体質特徴の分析
- 人種・血統に関する分析
使用検体
- 血液、唾液など
使用技術
- DNAシークエンシング
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遺伝子検査と他の検査
臨床検査は色んな種類があります。その中で遺伝子検査は何が特殊なのか?他の臨床検査とどの様な違いがあるのか?まず遺伝子検査とその他の検査の違いについて解説します。
- 血液検査
- 生化学検査
- 抗体検査
- 遺伝子検査
技術で分ける遺伝子検査
遺伝子検査では、遺伝子配列を増幅させて検出する技術や、遺伝子配列の並びを解析する更なる高度な技術もあります。遺伝子検査で使われてる様々な分子生物学技術について解説します。
- PCR法
- LAMP法
- G分染法
- DNAシークエンシング